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モノクロ写真。思い出すのは、小学生の時の学研の科学の付録。ある月の付録がピンホールカメラだった時がある。初めてのカメラで嬉しくて、家の周りで被写体を探して歩いて、そのときはネコを見つけた。動くなよーって思いながらピンホールに光を入れ込んだ。露光に時間がかかるから動いちゃうと綺麗に写らない。すぐさま家に戻り、親には絶対に開けるなって念を押して押入れに入り込んで現像作業をした。出来上がったモノクロの写真には隅っこに小さくネコが写っていた。逃げないように近づけなかったし、付録のピンホールカメラにはファインダーなんてないので構図なんてわからない、それでもうまく撮れてすごく嬉しかった。何か両親もよく撮れたなーなんて褒めてくれたような覚えがある。
ILCE-7 (0mm, f/0, 1/2500 sec, ISO100)
ボケた奥の背景には電車走っている。カラーだと気づかないけどモノクロにすると突然に現れるイメージがある。Sonnarの映し出す柔らかいボケがモノクロームの中で思い出の一場面のように感じて電車の音が聞こえるかもしれない。
デジタル時代なので、フィルムは現像はしない。フィルムの粒子間なんかも写真の味なのかもしれないが、現代ならではのデジタルモノクロの楽しみ方もある。わざわざ便利になったものを切り捨てる、そこに意味を感じさせる写真。そんなことを考えながら撮ってみると面白かったりする。最新のデジタルカメラとクラシックなレンズの組み合わせも面白い。
1つ情報を無くすことによって必要なものだけを残していくっていうのはデザインに似てる気もする。情報を削ぎ落として削ぎ落として最低限なものにする美しさもある。もしくはアートというならば削ぎ落とした情報の中に何か意味を感じさせて、見る人を魅了するかもしれない。情報を少なくするだけで撮る側にも見る側にも”思考”が生まれるのは楽しい。
CarlZeiss C Sonnar 50mmのCはClassicのCらしい。デジタル時代に復活したクラシックレンズ。
あえて色という情報をなくして楽しんでみるのもこのレンズならではの楽しみ方と思う。
Lens: Carl Zeiss C Sonner T*1.5/50ZM
Adapter: VoightLander VM-E Close Focus Adapter
Camera: Sony α7 ILCE-7
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